昭和のはじめ。**小倉の街は、年に一度の小倉競馬と大花会で大賑わいだった。一匹狼の胴師・保科金**は、弟分の片貝弥市と、小倉・住之江一家に招かれた。途中、船上で、博多・大瀬戸一家の者たちにからまれた。花札賭博で、負け続けの田宮という中年の紳士に、片貝が親切で忠告したのが、事の起こりだった。だが、割って入った旅の胴師・井手庄七の仲立ちで丸く収まった。井手は、大瀬戸一家の客分で、胴師として名高い保科をよく知っていた。翌日、田宮は、競馬で大*を当てたが、その夜の賭場で全部すってしまい、その上、大瀬戸一家に借りた金までき**にすってしまった。勝負を見ていた保科は、イカサマに気づくが、そっと胴師の井手に忠告しただけだった。そして、保科は、イカサマ札作りの名人村越と偶然、再会した。村越は、六年前、保科にイカサマを見破られ、指を切られ、以来、保科に復讐を誓っていた...
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