《時の貞操 前後篇》又名時の貞操(総集版)。
前篇--昭和六年、製糸工場では少しでも安価な優秀な生産を目ざして大わらわだった。それにはまず貧しい農家の娘を、ただのような労働賃金でかり出す方法がとられていた。津島製糸では糸のセリプレン検査を行い女工の競争心をあおらせる方法がとられていた。東京で展覧会が催され製糸の実況をみせるのに選抜されたのがいつも成績第一位のしづ江と古参のおスガだった。若い工場長津島と共に上京したしづ江は、ふとしたことからとり返しのつかぬ、あやまちをおかす結果になってしまった。それからのしづ江の成績は下る一方だった。片時も恋人能代と津島の顔がさくそうし、良心のかしゃくに責められた。しづ江はすでに妊娠していたのだ。気の弱い能代はそれを知ると津島の援助をうけて結婚し、しづ江を救おうとした。工場内では検番の職柄をカサに女工をだます男、女工もまたへつらうためには貞*さえもおしまないほど乱...
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